個人が自分で所有している車を登録し、自分の都合のいい時間帯や期間に希望する利用者に貸し出すことができるサービスがあります。

前回は、カーシェアリングで車を借りる方法をご紹介させていただきましたが、今回は借りる側でなく、貸し出す側となる自動車の個人間による貸し出し(シェアリング)をご紹介します。

スポンサーリンク

車を貸し出す側のオーナーになるには

自分の車を貸し出す側のオーナーとなる場合、まずは自分の車をマイカーシェアの業者に登録する必要があります。

dカーシェアの場合、以下の情報の入力が必要です。

・ニックネーム
・職業
・一言
・貸し出す車の情報(使用年数、購入金額、走行距離)

貸し出す車の使用年数、購入金額、走行距離などで一日の設定上限金額が決定します。

その上で、自分で料金やNG項目などを選択していきます。

NG項目の例

・ペットの同乗禁止
・禁煙
・車内飲食不可

大切なマイカーですので、許容範囲は出来る限り細かく定めておくとよいでしょう。

手続きが完了すると、審査実施の後、自分の車が公開され、他人への貸すことが可能となります。

あとは予約のリクエストを待つこととなります。

リクエストが入れば、チャット機能などで連絡を取りつつ、問題ないと判断すればそれを承認し、決められた日時に鍵と車をの受け渡しを行います。

その際、事前のチェックにdカーシェアが予め用意している「マイカーシェア クルマ受け渡し・返却チェックシート」を活用すると、便利です。

 

マイカーシェアの利用料金

マイカーシェアの利用料金は「共同使用料」+「保険料」となっております。

カーシェアの場合のように保険料が込みになっていません。

保険料車両補償プランは2種類あります。

車両補償プラン
スタンダード 1500円/24時間
プレミアム 1800円/24時間

実例で紹介すると、

共同使用料 4000円
車両補償プランスタンダード 1500円
合計 5500円

オーナー側の利益としては共同使用料の10%がdカーシェア側に支払うプラットフォーム利用手数料となります。

共同使用料4000円ー共同使用料の10%=オーナーの利益3600円

キャンセルとなった場合はキャンセル料の10%がプラットフォーム利用手数料となります。

 

貸す側のメリットとデメリット

マイカーを貸す側にとって、どこの誰とも分からない人から車を借りて、万が一トラブルになったらどうしよう、という不安があるでしょう。

オーナー側としては自分の車を全く知らない赤の他人に貸し出すことに対する抵抗も少なからずあるはずです。

貸す側のメリットとデメリットとデメリットをみてまいりましょう。

 

メリット

オーナーとしてのメリットは

●自分の車を他人に見てもらえる

数ある車の中から、自分の車を選んで予約してくれたわけですから、少なからず、自分の車に興味があるはずです。

拘りのある車であれば、利用者に共感してくれて可能性もありますし、車の好みも近いかもしれません。

共通の好みや共感ポイントが生まれることで利用者との距離感も近くなり、仲良くなることもあるかもしれません。

 

●自分の車を貸し出して副収入を得ることができる

自分の資産を貸し出すことで収益化するというビジネスモデルは近年様々な分野で広がっています。

車も借りたい方に貸すことで収益が発生するビジネスとなります。

しかし、カーシェアリングの個人間取引・マッチングサイトについては道路運送法という法律もあり、レンタル料として収益化することができません。

その為、各社共同使用料として徴収したり、オーナーとの独占交渉権のサービス料としたり、ややグレーな部分でもあります。

また、エニカではクルマの購入金額、購入時走行距離、年間維持費を元に共同使用料で上限が決定するため、上限以上の金額を設定することはできません。

この金額を超える料金設定は会員規約違反、法令違反となります。

不当に高い料金の設定はできないこともあり、ちょっとした副収入として考えておいたほうがよいでしょう。

 

デメリット

マイカーシェアに関しては、個人間トラブルに発展する可能性(リスク)もあります。

その為、ある程度大きな会社でサポート面が充実している会社を選択することをおすすめします。

 

●利用者の遅刻

最も多いトラブルは「貸出時や返却時の遅刻」です。

こちらが時間通りに待ち合せても、オーナー側が遅刻してしまうケースがあります。

予約の時点でサイトのレビューページなどで、そのオーナーの車の利用者のレビューをチェックするなどで、ある程度対策できます。

車の受け渡しは対面で行うことになるので、借りる側も必ず遅れないように待ち合わせ場所に向かうことが求められます。

因みに遅刻に関する連絡等のトラブルはサービスを提供する会社側では全ての対応はできないため、ある程度は利用者・オーナーで解決する必要があります。

エニカ側もでは2016年からは「スマートキー」デバイスの無料レンタルを行っており、このようなトラブルの対策をしています。

スマートキーデバイスがあれば、遠隔での車の解錠・施錠ができますので、待ち時間を気にせずに車の受け渡しをすることも可能です。

エニカのスマートキーデバイスの特徴

・スマホで解錠・施錠できる
・GPS機能がついている
・ドライブレコーダー搭載

 

●利用者の交通事故

車の運転ですので、万が一の交通事故の可能性はつきものです。

例えば、エニカではカーシェアリング中に事故が起こってしまった場合、ドライバーは車を予約した時点で、東京海上日動火災保険株式会社が提供している「1日自動車保険(車両補償ありプラン)」に加入しています。

また、友人と借りた車で出かけるとき、エニカに登録している「利用者」だけが運転するのではなく、交代で運転するということも考えられます。

複数人で運転をする場合は料金を追加することによって「臨時被保険者」としてドライバーの登録が3人まで追加できます。

保険内容は「対人賠償責任保険」「対物賠償責任保険」が無制限、支払限度額300万円までの「借用自動車の復旧費用補償特約」、ロードサービスや交通事故現場のアシストの24時間365日対応などがついています。

 

●利用者がスピード違反をして違反切符がオーナーに届く

利用者がオーナーの車でスピード違反をして、オービスに引っかかってしまった場合、後日オーナーに通知が届くケースも考えられます。

もちろん、利用者は交通違反や取締りを受けたことに関してオーナーに伝える義務がありますが、気づかなかったり、黙って返してしまったりする場合も考えられます。

後日違反の通知が届くなどの問題が発覚したときは、基本的には利用者とオーナーの話し合いになります。

エニカでは、状況によっては法律上許される範囲でエニカ運営のDeNAがサポートしてくれます。

 

マイカーシェアの会社紹介

現在マイカーシェアを利用してオーナーになるには下記の3社が利用できます。

●dカーシェア

NTTドコモが2017年末にサービスを開始した、レンタカー、カーシェアリング、マイカーシェアの3つのプランに対応したサイトです。

マイカーシェアの料金授受は、レンタルによる貸し借りではなく、道路運送法の例外規定を利用した、個人所有車両の「共同使用契約」という契約にしています。

dカーシェアを通じて車をシェアすることにより維持費の節約や収益化が可能となります。

ドライバーは東京海上日動が提供する1日自動車保険に加入するのが必須となっています。

dカーシェア 公式サイト

 

●エニカ(Anyca)

株式会社DeNAが運営しているサイトです。

登録台数は全国的に年々増加しており、東京都内だと1430台以上が登録されています(2018年9月現在)。

マイカーシェアはdカーシェアと同様に共同使用という契約になります。

登録は無料でプラットフォーム手数料は10%になっています。

個人間取引が前提となるため、法人としての利用はできません。

保険のシステムは明快で、ドライバーが東京日動火災の1日自動車保険(車両補償付)に加入する仕組みとなっています。

栃木県では9月現在で32台が登録されています。

エニカ(Anyca) 公式サイト

 

●カフォレ(CaFoRe)

株式会社WAKEが運営するサイトです。

登録台数は全国で1500台以上で、登録は無料です。

貸し借りの取引が成立完了した段階で10%がかかります。

代金は落札代金から差し引かれて振り込まれます。

カフォレ(CaFoRe)の契約は、有償で車を貸し借りするのではなく、車自身は無料で貸し出して、出品者との独占的交渉権を行う対価としての価格が設定されています。

これはカーシェアが道路運送法の違反にあたる可能性があるための回避策としてこのような契約形態となります。

自動車を貸し出す際にはレンダー補償に加入する必要があります。

月額1,080円~3,240円の保険料となります。

1日単位の貸し借りでも月額の保険に加入しなければならないので、1日だけのレンタルとなると損した気分となってしまいます。

保険は借り手(ドライバー)も同様に保険に入りますが、こちらも月額制となっています。

登録されているオーナーは都内中心が多く、栃木県ではまだまだ少ない状況ですので、栃木県でカフォレのサービス利用者を独占できるチャンスでもあります。

カフォレ(CaFoRe) 公式サイト

 

まとめ

近年、様々なシェアリングが話題となっておりますが、車のシェエも徐々に増えてきました。

車社会の栃木県ですが、マイカーシェアはまだまだ浸透しておりません。

しかし、問題点や利用者の不安などが解消されていけば、利用する方は増えてくるのではないでしょうか。

車を借りる側としては気に入った車があるとリピートしてくれることもあります。

ひょっとしたら、予約してくれた方は自分の車の好みが同じかもしれません。

借りる側も少なからず車には興味がありますので、自然と仲良くなったり、新たなコミュニティが形成される可能性もあります。

栃木県では車好きの方も多く、個人で2台、3台と複数所有していたりする方も多く、それなりの需要はあるのではないかと思います。

単なる移動手段だけではなく、借りたい方に貸すという車の新たな役割をご自身のマイカーに与えてみてはいかがでしょうか?

スポンサーリンク

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう