
ここ数年宇都宮で大きな話題となっている宇都宮LRT。
今年6月からLRTの工事も始まりました。
以降、徐々に宇都宮の駅周辺は変化を見せようとしています。
そもそも宇都宮LRTとは何なのでしょうか?
まだよく分からないという方もいらっしゃるかと思いますので、その狙いと役割について詳しくみてまいりましょう。
LRT車両イメージ(第15回「芳賀・宇都宮基幹公共交通検討委員会」発表資料より)
次世代型路面電車システムLRTとは
LRTとはライトレールトランジット(Light Rail Transit)の略で、高性能の路面電車を利用した交通システムを指します。
バスよりも車両の振動や騒音が少なく、車両の床も低い為、乗りやすい構造となっており、人と環境にやさしさい乗り物と言われております。
宇都宮市の交通事情
LRTの開発を進める理由に以下の3つの悩みがありました。
悩み① 人口減少社会の到来
宇都宮市の人口は2017年頃にピークを迎え、そこから人口が減少してくと予想されています。
人口が減少すると市内の消費が停滞し、地域サービスや企業活動が衰退してしまいます。
人口減少の中でも消費を維持する仕組み作りが求められているのです。
悩み② 超高齢化社会の進展に合わせた社会作り
高齢者の割合は高まる一方、子どもや働き手となる世代の割合は低下しています。
推計によると、高齢化率は2016年は23.3%、2050年には36.8%といわれています。
生産人口の減少を抑えながら、高齢者が自立した生活を送れる社会作り、全ての世代が安心して暮らせる街にしなければなりません。
悩み③ 過度な自動車依存がもたらす公共交通の衰退
市民の交通手段は自動車への依存が高く、鉄道・バスなどの公共交通利用者の減少が顕著になっています。
車に頼った状態が進みすぎると、車を運転できない市民の移動(通学、買い物、通院など)が制限されて日常生活が不便になってしまい、暮らしにくい街になっていきます。
誰でも自由に移動しやすい街づくりを目指さなければなりません。
以上の3つの悩みをLRTを通して人が移動しやすい環境を作り、暮らしを変えていくのです。
①時間に正確で輸送力が大きい「LRT」で新しい人の流れを作る。
②地域の交通手段を整備して、市民が移動しやすい仕組みを市全域で育てる。
③人が移動しやすい交通環境は、外出機会増による健康増進や消費促進などの経済効果を生み、宇都宮市を持続的に発展させていく。
現在の交通手段にLRTを加えた交通未来都市を目指します。
LRT事業計画
トランジットセンター
主要な5カ所の乗り場には、乗り換え施設(トランジットセンター)を設けることで、バスや地域内交通、自動車、自転車などの様々な交通手段からスムーズにLRTを利用することができます。
トランジットセンターイメージ(第15回「芳賀・宇都宮基幹公共交通検討委員会」発表資料より)
交通ICカード導入
LRTやバスで共通で使える交通ICカードを導入します。
タッチするだけで支払いが簡単にでき、またLRTと鉄道、バスなどのスムーズな乗り継ぎが可能です。
交通ICカード導入イメージ(第15回「芳賀・宇都宮基幹公共交通検討委員会」発表資料より)
詳細データ
運転時間帯 | 6時台~23時台 |
所用時間 | 始点から終点まで約44分(快速運行の場合 約37分~38分) |
運転最高速度 | 時速40キロメートル |
需要予測 | 1日あたり約16,300人 |
ピーク時最大断面 | 1,885人(1時間あたり・片方向) |
運行間隔 | ピーク時6分間隔(10本/1時間) オフピーク時10分間隔(6本/1時間) |
運賃 | 初乗り150円~400円(対距離制) |
運賃収受方法 | 交通ICカードシステム導入(ワンマン運転) |
運行ルート(路線図)
LRTの運行ルートは、JR宇都宮駅東口から芳賀・高根沢工業団地までの14.6キロメートルになります。
LRTのルート(MOVE NEXTうつのみや発表資料より)
デザイン決定
7月10日に芳賀・宇都宮LRT車両外観デザイン3つの中からアンケート結果を踏まえ、決定しました。
決定の主な理由として「個性的」、「雷の光を感じる」、「新しさを感じる」などの選択理由が7割以上を占めており、車両外観デザイン の基本方針がより正しく伝えられたものと考えられています。
2018年7月10日記者会見配付資料より
完成予定は
2018年3月20日に国土交通省より宇都宮市と栃木県芳賀町が申請していたLRTの軌道敷設の工事施行が認可されました。
そして6月4日より宇都宮駅東口から東に延びる鬼怒通りで工事が始まりました。
2022年3月の開業を目指します。
LRTの情報について更に詳しく知りたい方は下記のWebページからも情報入手することができます。